転勤して家賃収入がある人の確定申告を5つのステップで徹底解説 ~青色申告、減価償却費、利息の計算方法もご紹介〜

うちでは夫が営業マンのため、いつどこに転勤するかわからない中、長男が生まれたタイミングでマンションを購入しました。

そして4年後、ついに転勤!

借入金も残っているため、そのマンションを1日でも早く貸し出して誰かに住んでもらわねば!とバタバタでした。なんとか管理会社を通じて借り主が決まり、次にやってきた不安が確定申告や税金のこと・・・

同じような境遇の方の情報は意外と少なく、色々調べたり税務署に問い合わせたり大変でした…

そこで経験談を交えながら転勤して家賃収入がある人の確定申告に必要な書類、減価償却費、利息計算方法などを5つのステップでわかりやすくご紹介します。

最後におすすめの節税対策もご紹介しますのでぜひ参考にして頂ければと思います。

 

 

 

 

1ステップ:確定申告に必要な資料は?

まずは、資料集めです。

以下の書類が必要になります。一つずつ詳しくご紹介します。

 

源泉徴収票

税務署に提出します。
会社から1月初めくらいにもらいますので、印刷された源泉徴収票をご用意ください。

 

不動産管理会社から送付された収支表

毎月の収支表もあるかと思いますが、基本的には1~12月の収支をまとめた収支一覧表のようなものがまとまっていて使いやすいです。
不動産管理会社から1月ぐらいに送付されてくると思います。

 

借入金の残高表 

金融機関から毎月発行されているものです。費用である利息を計算するのに使います。利息の計算は後程ご説明します。

 

自宅購入時の売買契約書 

減価償却費を出すために必要です。こちらも後程計算方法をご説明します。

 

1年間で実際に支払った固定資産税の明細表

1~12月の間に実際支払った金額を計上します。
年内に翌年1月分も納付済なら全額を費用になります。翌年1月分が未納なら費用には計上できません。

※支払いベースなので場合によっては固定資産の明細表は1年以上必要になります。

 

借主のフルネームがわかるメモやメール

 事前に管理会社に聞いておきましょう。確定申告の書類に記入欄があります。

 

修繕等の領収書

エアコンのクリーニング費用を計上しました。

エアコン付の物件の方が借り手が決まりやすいため、つけたままにしたのですが転勤後に故障などが発生すると大変なためクリーニングしました。

4年ほどしか使用していないエアコンですが、クリーニングでの真っ黒なカビの液体には驚きました。

エアコンのクリーニング

数社で検討し料金はそこまで変わらなかったので一番早く来ていただけるお掃除本舗さんでお願いしました。相場は1台1万円ぐらいと思いきや、「自動掃除」がついているエアコンは18,000円ということで驚きました。

自動掃除付きのエアコンは主流だと思いますが高機能なエアコンほど分解して掃除するのが大変らしく料金も高くなるとのこと。他社さんでも同様のケースが多いようです。

お掃除本舗(外部リンクです)

 

 

管理会社との打ち合わせのための交通費

うちの場合は、管理会社の方が自宅に来て頂けたので交通費は発生しませんでしたが、もし管理会社に出向いた際には電車代などの交通費が費用計上できます。

日にち、どの電車、どの区間、金額等をメモ書きしたものを用意します。

 

 

2ステップ:収入の計算

礼金は収入になりますが、敷金は収入になりません。

礼金と毎月の家賃収入を合計します。月の途中から貸し出した場合には日割りで家賃収入を足します。

 

 

3ステップ:費用の計算

では、実際に自分で計算する必要がある費用を詳しくご紹介します。

 

減価償却費

お手元に売買契約書をご用意ください。意外と簡単に計算できます!

🔶減価償却費とは?
資産を購入した年に資産の価格を全額費用として計上せずに、使用期間(税法では耐用年数とよばれています)に渡って毎年費用を計上するという合理的な考え方です。

🔶減価償却費の計算式
税込の建物価格×耐用年数に応じた率=毎年定額
以下でそれぞれの項目を計算したり調べて求めていきます。

🔶計算方法

①減価償却費の対象は?
通常、売買契約書に記載されているマンションの売買価格は建物と土地の合計になっています。
しかし、減価償却の対象はマンションの建物です。土地は減価償却されないので建物の価格だけが必要になります。

②消費税の金額を確認
売買契約書には建物と土地の合計額が売買価格として記載してありますよね。
その近くに「消費税等相当額(地方税含む。5%)  」というような内容の消費税に関する金額の記載があるはずです。

建物には消費税がかかりますが、土地には消費税がかかりません。
つまり、消費税の金額から建物の価格を計算することができるのです。

※マンション購入タイミングにより、消費税の税率記載は5%か8%のどちらかになっています。今後消費税があがっても計算の考え方は同じです。

例えば、ボールペンの税込価格はわからないが消費税が8円とわかっている時に税率8%なら
8÷0.08=100
よって100+8=108がボールペンの税込価格です。
建物の価格の計算は、この「ボールペンの税込価格を計算する方法」と同じです。

 

③消費税等相当額から建物価格を計算
例えば、消費税等相当額が200万円、消費税の税率が8%と記載の場合は以下のように計算します。

200万円➗0.08=2500万円
この2500万円は建物の税抜価格です。

減価償却費は税込価格で計算するので2500万円に消費税の200万円を足します。

2500万円➕200万円=2700万円
よって建物だけの価格は税込で2700万円と計算できました。

 

④マンションの耐用年数は?
このマンションの使用期間は約50年くらいだから耐用年数も50年!と勝手に自分で決めることはできません。

耐用年数は税法で細かく決められています。(法定耐用年数とよばれています)

鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造のもの、かつ、住居用であれば47年と決められています。鉄筋系のマンションであれば、ほとんどが47年に該当するかと思います。

耐用年数は国税庁のHPで確認できます。

 

中古マンションの場合の耐用年数の計算方法は、築年数が法定耐用年数を超えているかどうかで変わります。

◎築年数が法定耐用年数を超えている場合
耐用年数 = 法定耐用年数 x 20%

◎築年数が法定耐用年数を超えていない場合
耐用年数 = 法定耐用年数 - (築年数x80%)

 

 

⑤耐用年数に応じた率とは?
こちらも国税庁のHPで確認します。耐用年数47年の場合は、0.022です。

 

 

⑥減価償却費を計算します!
①から⑤の数字をもとに減価償却費を計算します。

税込の建物価格×耐用年数に応じた率=毎年定額の減価償却費
2700万円×0.022=59.4万円

1年間で計上する減価償却は59.4万円です!

マンションを貸し出すタイミングによっては月割での計上です。
例えば、10月はじめから貸し出すのであれば10.11.12月の3ヶ月分だけの計上です。
よって59.4万円✖3➗12=14.85万円が計上できる金額です。

 

 

借入金の利息

当初の予定通りに借入金を返済している場合は、金融機関から初めにもらう元本と利息の一覧表からマンションを貸し出した月の利息を合計します。

また、繰り上げ返済をしている場合には元本が少なくなるため、当初の利息とは異なります。

そのため、利息は自分で計算する必要があります。

というのも、金融機関によってはたった1ヶ月の利息明細表の発行に手数料2000円かかることも。うちの場合はそうでした。わりとメジャーな銀行です。

 

①毎月の残高表を準備する
まず、金融機関から毎月送付される残高表を、利息を計算したい月と前月分の2ヶ月分用意します。

<例>
12月の利息を計算する場合、11、12月の残高表を用意します

 

②元本残高の差額を計算
毎月の残高表には必ず元本残高の記載があります。

<例>
・12月の元本残高が25,000,000
・11月の元本残高が25,300,000

すると、差額は300,000です。

③繰り上げ返済の金額を確認
毎月の残高表には、繰り上げ返済の金額が記載されていますので確認してください。

<例>  
12月中の繰り上げ返済の合計200,000円

 

④ 元本残高の差額(②)から、繰り上げ返済の金額(③)を引く
<例>
300,000-200,000=100,000

この100,000円は、その月の元本返済額&その月の利息の合計額です。
あともう少しで利息がわかります!

 

⑤いよいよ利息を計算します
毎月の残高表には、その月の「元本返済額」について記載がありますので確認してください。
※うちの場合は、①で確認した「元本残高」の記載の近くにありました。

<例>
12月の元本返済額が70,000円の場合
100,000-70,000=30,000

この30,000が12月に計上する利息です!

 

 

 

 

4ステップ:青色申告を申請して10万円の所得控除を!

意外と知られていないのですが、青色申告10万円控除は1部屋の家賃収入から使えます!

※ちなみに、65万円の控除は使えません。こちらは複数の部屋を貸し出している場合で細かく条件があります

 

税務署への申請期限は2通り!

青色申告控除は税務署への申請が必要です。貸出を始めた日によって申請期限が異なります。

 

🔶貸出開始日が1月16日から12月31日のいづれかなら、貸出開始日から2ヶ月以内に申請

<例>
貸出開始日が2018年3月10日の場合、2018年5月10日が申請期限。

2018年分の確定申告に10万円の控除を計上できる。

 

🔶貸出開始日が1月1日から1月15日のいづれかなら、3月15日が申請期限。

<例>
貸出開始日が2018年1月14日の場合、2018年3月15日が申請期限。

2018年分の確定申告に10万円の控除を計上できる。

 

年の途中でも全額10万円を計上できる!

一年の途中からの貸出でも月割り不要です。
例えば10月から貸し出した場合でも、10万円全額を控除できます。(収入から差し引き可能ということ)

 

貸出開始年は全額10万円を所得控除できない場合もある

所得控除ができる上限は所得がゼロまでです(所得がマイナスにはなりません)

下の例にあるような10万円全額を控除できないケースは、貸出始めた年ぐらいです。しかも貸出開始月が10月以降など。
通常、マンション貸出では収入に比べ費用がかなり少ないため利益がたくさん出てしまいます。

<例>
収入から費用を引いて利益(所得)が8万円の場合
所得8万円から青色申告の10万円を引くと、計算上は所得がマイナス2万円になります。
しかし、所得はマイナスにはできずゼロが上限です。

 

 

5ステップ:実際に国税庁のホームページで入力してみよう

国税庁のホームページでの税金計算は、確定申告の時期だけでなく年中使えますので実際に入力して所得税の計算をしてみるといいです。

 

 

税金支払いのための積み立てをしよう

マンション貸出での税金支払いは思っていた以上に高いです。

我が家では、税金の総額を計算して12ヶ月で按分し毎月の積立をしています。

 

税金の種類、内容は?

🔶所得税
サラリーマンの収入とマンション収入が合算されることにより、税率が上がる可能性もあります。
特に税率10%の次は20%になりますので倍近くになります。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

 

🔶住民税
税率は常に10%です。
なのでマンション貸出による住民税の増加分は、マンション貸出の利益に10%を乗じた額になります。

 

 

計算方法は?

①所得金額を確認
国税庁のHPで所得税を試算する際に「税金の計算」という項目の「課税される所得金額」を確認してください。

②税金の合計額を計算する

<計算式>
・所得税
①の課税される所得金額×所得税の税率ー課税所得控除

・住民税
①の課税される所得金額×住民税の税率10%

<例を使って計算してみよう!>
課税される所得金額が500万円の場合

・所得税
5,000,000✖0.2ー427,500=572,500

・住民税
5,000,000✖0.1=500,000

合計  1,072,500円
1年間で支払う所得税と住民税の合計額です。

所得税と住民税では所得控除など税金の計算方法が少し異なりますが、試算であれば所得税の所得を使っても差し支えないです。

 

 

積立金額の計算方法は?支払いはいつ?

直近の給与明細で、天引きされている所得税・住民税に12ヶ月をかけてざっくり1年で天引きされる税金合計額を出してみてください。
その合計額と上記の金額(例 1,072,500円)との差額が「マンション家賃収入による税金の増額分」になります。

参考までに、我が家の「マンション家賃収入による税金の増額分」はおおよそ40万円ほどになりました。
この40万円は以下のようなタイミングで支払います。

🔶所得税:翌年の確定申告で支払い(4月に引き落とし)
🔶住民税:翌年の5月〜翌々年4月に給与から天引きされる金額が増える

そのため我が家では税金支払いに備え毎月均等に35,000円を積み立てています。

我が家では(夫が)次の項目でご説明する節税対策の「確定拠出年金」で積み立てをはじめたので「マンション家賃収入による税金の増額分」は約40万円に抑えることができています。

ちなみに確定拠出年金をしなければ増額分は50万円ほどです。
つまりイデコによりたった1年間で10万円も節税できます!

 

 

 

節税対策!

不動産所得は費用にできるものがあまりないのも悩みのひとつ。
つまり、費用が少ないということは利益が多いため税金が高くなるということです。

税金を少なくする策は、

・青色申告10万円
・修繕費

他にできることは…

 

おすすめはイデコ!
個人型の確定拠出年金です。

イデコの最大のメリットは全額を所得控除できること。
わかりやすくいうと、費用が増え利益が少なくなるので支払う税金が少なくなります!

 

別記事(主婦だからこと知っておきたいふるさと納税〜)でイデコについてご説明していますので、以下で一部抜粋しご紹介します。
ちなみに、ふるさと納税はやらなきゃ損!というぐらいお得な制度です。
ご興味あればぜひあわせてご覧ください。

 

 

 

イデコとは?

老後に備えて、金融機関で60歳まで引き出しせずに毎月一定額を積み立てながら資産運用していくものです。正確に言えば、資産運用の割合を選べるので極端な話、全額をリスクゼロの定期預金に入れておいてもオッケーです。

普通に、老後の資金を定期預金に積み立てしても利子はわずかですよね。

イデコなら同じように定期預金に積み立てたとしても驚くほどのリターンがあります!

60歳まで引き出せないというデメリットも、老後まで手を出さないで貯めておけるというメリットと考えることもできます。

 

 

イデコの節税効果は?

イデコのすごいところが、毎月積み立てる金額を全て所得控除(費用)にできるところです。

例えば、サラリーマンの上限額である毎月23,000円で積み立てした場合、年間で276,000円になりこの全額を所得控除(費用)にできます。

 

🔶事例
年収500万円、所得税の税率10%のサラリーマン

①所得税での節税

276,000×10%=27,600円

※所得税は累進課税なので年収が高い人ほど税率も高くなります。
年収が上がれば税率もあがり、更なる節税効果が!
税率10%の次は20%なので、年収がある一定額あがると一気に倍の金額が還付になります。

 

②住民税での節税

276,000×10%=27,600円

※住民税は誰でも税率は10%です。

 

①と②の合計額55,200円が節税できます。
の所得税は年末調整で還付され、②の住民税は会社から天引きされる金額が少なくなります。

仮に40歳からスタートした場合、節税効果は55,200円×20年間で110万4千円に!

イデコを20年間リスクなしの定期預金で積み立てた場合、60歳以降で受け取れる金額は、年間276,000×20年間=5520,000円です。 ※少し定期預金の利子がつきますが利率が低いため計算には入れていません。

よって、
約550万円の積み立てで税金が約110万円も戻ってくる
=実質、約550万円の積み立てに110万円の利子がついて総額660万円になる
ということになります。

他に類を見ない節税効果です。

 

🔶手数料はどのくらい?

国民年金基金などに支払う手数料が月に167円かかります。また金融機関への手数料もありますが、楽天証券やSBI証券で0円です。

手数料の最低金額は、合計月額167円になります。20年間で40,080円。

できるだけ手数料は低いことが大事ですが、節税効果が高いため20年間での手数料合計4万円がイデコを断念する理由にはならないでしょう。

 

🔶60歳以降の受け取り時に税金かかる?

退職金が多い場合は60歳以降の受け取り時に税金がかかる場合があります。受け取りの方法を一部分割にして税金をできるだけ少なくすることも可能です。

退職金があまり多くない方は、受け取り時の税金がゼロになる可能性が高いです。

退職所得控除額は、次のように計算します。

勤続年数(=A) 退職所得控除額
20年以下 40万円×A
(80万円に満たない場合には、80万円)
20年超 800万円+70万円×(A-20年)

(例)1 勤続年数が10年2ヶ月の人の場合
(1) 勤続年数は11年になります。
 (端数の2ヶ月は1年に切上げ) 
(2) 40万円×(勤続年数)=40万円×11年=440万円
 この場合の、退職所得控除額は440万円になります。 

⇨つまり、「イデコで積み立てた合計額+会社からの退職金」が440万円までは税金がかかりません。

イデコを50歳からはじめ10年間で積立総額が276万円、かつ会社の退職金がない場合は、440-276=164万円となります。よって、税金は0円です。

(例)2 勤続年数が30年の人の場合
(1) 勤続年数は30年です。 
(2) 800万円+70万円×(勤続年数-20年)=800万円+70万円×10年=1,500万円
 この場合の退職所得控除額は1,500万円になります。

⇨つまり、「イデコで積み立てた合計額+会社からの退職金」が1,500万円までは税金がかかりません。

上の事例のように40歳から20年間で積立総額552万円、かつ会社の退職金が1000万円の場合は、(1000+552)-1500=52万円が税金の対象となります。
しかし、65歳までは年間70万円の所得控除があるため、52万円の受取だけ61歳過ぎてから(1年間の分割)にして、60歳の退職時にはイデコで500万円一括受取にすれば税金は0円です。

 

 

 

以上、転勤して家賃収入がある人の確定申告の徹底解説と、節税効果が高いイデコ(個人型確定拠出年金)についてご紹介しました。

最初の確定申告が終わるまでは「いったいいくら税金を支払うのだろう・・・」と不安がつきものですよね。何もしなければ不安は不安のままですが、ご紹介した内容で試算していただければその不安がだいぶ減るのではないかと思います。

少しでもお役に立てれば幸いです。

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

ドレミ

0歳、4歳の男の子2人を子育て中のママです。 これまで会計・監査の業界で働いてきたため(現在育休中) 子育てでの疑問や不明点も徹底的に調べて、実際に調べたことを取り入れてみて試行錯誤の日々を送っています。 この情報が同じ現役ママのお役に立てればと思いブログを立ち上げました。 自分の経験談も交えながら、子育て・お金のこと・料理などについてご紹介していきたいと考えてます。