そういえば、私、昨日ネットで大手派遣会社の簡単web登録して求人見たんだ!未経験の求人もたくさんあるし、時給も高いしびっくりしたよ。
3年ルールについてもしっかり理解してから派遣でお仕事スタートしたいわ!
この記事はこんな人におすすめです!
🔶派遣の法改正について知りたい人
🔶おすすめの派遣会社を知りたい人
目次
派遣法の3年ルールについて、まずはざっくり理解しよう!
3 年ルールって、どんなルール?
2015年に施行開始された派遣の新しいルールです。
通称『3年ルール』では、1つの派遣先(勤務先)で派遣スタッフにお仕事させて良い期間は最長3年まで!というものです。
この3年という縛りには、人単位(派遣スタッフ)と事業所単位(会社)があり、例外もあります。後ほど詳しく説明します。
派遣法が改正された目的は?
この「3年ルール」の目的をわかりやすく言うと…
『3年という長期間も派遣スタッフとして働いてもらったのだから、3年後に派遣スタッフに「安定的な働き方」を提供しましょう!』
というものです。具体的には、以下2つのどちらかを検討することが義務付けられたのです。
派遣スタッフを正社員や契約社員などで雇うこと(直接雇用)を検討する
🔶派遣会社
無期雇用を検討する
この「安定的ではない」というデメリットをできるだけ少なくし、派遣で働く人が「安定した仕事」をできるようにしたのが派遣の3年ルールです。表向きは…。
※補足:大手派遣会社に登録し大手企業に派遣されると長期間働けるということも多々あるので必ずしも「派遣が安定的ではない」ということではありません。
【派遣法の3年ルール】人単位と事業所単位、それぞれの3年ルールとは?
『1つの派遣先(勤務先)で派遣スタッフにお仕事させて良い期間は最長3年まで!』
と言っても、内容はけっこう複雑なんです。
この3年という縛りには、人単位(派遣スタッフ)と事業所単位(会社)があります。
一つ一つ説明していきます。
人単位とは?
1人の派遣スタッフを会社の1つの課で3年以上働かせてはいけない、というもの。
逆に言えば、1人の派遣スタッフが会社の1つの課で3年働いた後に、同じ会社の他の課で3年働くことができるということ。その後も会社内で3年ごとに課を変えて派遣スタッフとして働くことはできる、ということです。
もちろん、3年ごとに会社を変えて働いていれば問題はないことになります。
事業所単位とは?
事業所が3年以上継続して派遣スタッフを働かせてはいけない、というもの。
これは、ある事業所で派遣スタッフが1年半働いてやめてしまい、翌日から別の派遣スタッフが働く場合に1年半しか働けないということで、連続している場合は通算して3年以上は派遣スタッフが働けないというもの。
あくまで「事業所単位」なので、事業所ごとに派遣スタッフの年数をカウントします。
例えばA工場では派遣スタッフが継続して3年働いたからA工場ではそれ以上働けないけど、B工場ではまだ1年しか派遣スタッフが働いていないからあと2年間は働くことが可能です。
でも、これには「抵触日の延長」とやらで結局は「3年以上派遣スタッフを働かせることができる方法」が存在するんです。後ほどご紹介しますね。
⭐️事業所とは?
そもそも、事業所って会社全体なのか、支店ごとなのか…
答えは「雇用保険の単位」です。
なので、会社によって事業所の取り扱いや数が変わる場合があります。
例えば、本社、◯◯工場、△△工場の3つの拠点がある会社の場合、国に雇用保険の届け出を出す際に、3つの拠点をまとめて1つの事業所としている会社もあれば、それぞれで届け出を出して3つの事業所となっている会社もあるということです。
派遣法の3年ルールは、事業所単位が優先される!事例で見てみよう!
これまで「3年ルール」を「人単位」と「事業所単位」で説明しました。
でも、もし「人単位」での派遣3年の終了日より、「事業所単位」での派遣3年の終了日が先にきてしまったら、どうなるのでしょうか?
答えは、「事業所単位」での派遣3年の終了日が優先される、です。なんだかわかりづらいですね…
では、具体的な事例で見ていきましょう。
【事例の前提】
🔶派遣スタッフの佐藤さん
・△△商社の本社、営業1課の営業事務
・2016年1月15日から勤務開始
🔶派遣スタッフの加藤さん
・派遣スタッフ佐藤さんの後任
・2018年7月15日から勤務開始
人単位で、3年ルールが適用されるとどうなる?
人単位での3年ルールとは『派遣スタッフの佐藤さんが、営業1課で継続して仕事ができるのは最長で2019年1月14日までの丸3年間』ということを意味します。
事業所単位での3年ルールとは?人単位と比べるとどうなる?
実際には、派遣スタッフの佐藤さんは2018年7月14日で契約満了となり△△商社の本社ではお仕事をしなくなりました。他の会社(派遣先)で働くことになりました。
代わりに△△商社の本社には派遣スタッフの加藤さんが2018年7月15日からお仕事を始めました。この場合に派遣スタッフの加藤さんは3年後の2021年7月14日まで働けるでしょうか?
答えは「いいえ」です。
正解は、派遣スタッフの加藤さんは『2019年1月14日が派遣終了日』となります。
つまり、途中で派遣の人が変わっても、事業所単位で初めの派遣さんが働き始めた日から3年
抵触日とは?延長する具体的な方法は?
まずは少しだけ専門用語の説明をさせてくださいね。
「抵触日」とは、法律に抵触する最初の日付けのことをいいます。事業所単位の3年間プラス1日の日付です。
上の事例で言うと派遣スタッフ佐藤さんが働き出した日が2016年1月15日なので、派遣終了の2019年1月14日に1日加えた「2019年1月15日」が抵触日になります。この日付は派遣スタッフの佐藤さんがやめて他の派遣スタッフ加藤さんが働き出した場合でも変更されることはないんです。
でも、この抵触日、ある方法で延長できてしまうんです。
ある方法とは、派遣先(勤務先)の全従業員に
「派遣さんにもっと長く働いてほしいんですが、いいですかね?」
と聞いて過半数の従業員が
「いいよ!」
と答えればプラス3年間も抵触日が延長され、また派遣スタッフが引き続き働くことができるというものなんです。
実際に「派遣さんにもう働いて欲しくない」という従業員が過半数を超えてしまい延長できないケースはほとんどないと言われています。
しかも、この「抵触日の延長」は無制限で繰り返し使えるんです。3年経ったら従業員に意見を聞いて過半数がオッケーならまた3年間延長される…これを繰り返すことができるわけです。
なので、抵触日の延長がされれば『3年経ったら、今度は課を変えてまた派遣スタッフとして働くことはできる』ということになります。人単位の3年ルールはそのまま存在するので同会社で働くなら課を変える必要があります。
なんだか、皆さんの頭の中にある疑問が湧いてきましたよね。
「何のための法改正なのか、3年ルールは意味があるのか…今までとあまり変わらないのかも…」
結論から言うと、その通りなんです。
結局、3年働いた後の派遣スタッフの選択肢は?
選択肢ごとにご説明します。
派遣先での直接雇用
派遣スタッフが3年後に正社員や契約社員などの直接雇用を希望する場合、派遣会社が派遣先(勤務先)の会社に要望を出す義務があります。
実際に直接雇用になれるかどうかは別問題です。
大手企業では、一社だけの判断で正社員や契約社員を多く増やすことができないため直接雇用がなかなか難しいという側面もあります。
派遣会社での無期雇用
派遣会社での無期雇用は安定した雇用です。
無期という名の通り、定年まで働くことができます。派遣会社の正社員に近い雇用形態です。なかなか派遣先が決まらない時でも会社から休業手当が7割近く出たり、一般の派遣社員と比べ安定的です。
デメリットは、一般の派遣社員に比べ派遣先を自由に選べなくなるという点があげられます。もちろん、派遣先について派遣会社と相談しながら決めていくのですが「希望の派遣先がないから働かない」という選択を簡単にはできません。
紹介予定派遣で働く
派遣の求人の中には「紹介予定派遣」という働き方があります。
紹介予定派遣は最初の3〜6ヶ月は派遣スタッフとして働き、その後企業側と派遣スタッフの合意で正式に正社員や契約社員として直接雇用を結ぶ形態です。
派遣スタッフから直接雇用を目指したいのであれば、時期も明確な紹介予定派遣がおすすめです。
もちろん直接雇用となった後は派遣スタッフに戻ることはできません。また、初めから「正社員や契約社員としての雇用」が前提となっているので、より慎重にお仕事探し・選びをしていく必要があります。
同じ会社で課を変えて派遣スタッフとして働く
派遣先が大手企業の場合には多いパターンです。例えば、総務課で3年間働いた派遣スタッフさんが次は人事課で3年間働くことも可能です。(事業所単位の3年ルールでの抵触日の延長がされた場合)
企業内の似た職種で派遣
大手企業になると独自のシステムを使っているため操作になれた人が重宝されるます。そのため派遣スタッフとして長期雇用になるケースが多いようです。
別の派遣先(勤務先)で働く
全く別の派遣先(勤務先)で働く、という選択肢もあります。
同じような職種であったり、または未経験の職種にチャレンジする、ということもあるかもしれません。
3年後の契約満了直前で慌てないように、派遣会社の担当者には早めに「別の会社で働く」気持ちを伝えてお仕事を探してもらいましょう。適時、派遣会社の担当者に確認を取りながら間が空かないように気をつけることが大事です。
別の派遣会社に登録し働く
今の派遣会社であまり希望のお仕事がなければ、派遣会社を変えるという手段もあります。
派遣会社は1社しか登録してはいけない、という決まりはないので少なくとも3社にはWEB登録だけでもして求人サイトをのぞいてみることをおすすめします。
派遣法の3年ルールの後は5年ルール!無期雇用も!
実際に、私ドレミの大手派遣会社では派遣スタッフとして3年間勤務後の派遣会社での無期雇用は多くはないようです。
ただ、派遣スタッフとして5年間連続して働いた場合には誰でも無期雇用を選択できるようになりました。これが通称『5年ルール』です。2013年に法改正されたものです。3年ルールと名前は似てますが、内容が違います。
この5年ルールは、派遣だけでなく非正規社員全てに適用される法律上の話です。
しかし、派遣先が見つからないときは休業手当で給与の7割が支給されたり定年まで働けるというメリットの方が大きいのも事実。
『3年ルールを一度乗り越えて、その後2年間連続して働けば自動的に派遣会社で無期雇用になれる』ということです。
さらに、派遣会社で無期雇用になれば3年ルールは対象外となります。
つまり、派遣スタッフとして同じ会社で働き続けたいと考えた時に3年ごとに課を異動する必要がなく、同じ課で働き続けることも可能です。
また、色々な会社で仕事をしてみたいという方にとっても派遣会社で無期雇用になると派遣先が見つからなくてお給与が出ないというリスクをカバーできます。(休業手当金が支給されるため)