- 扶養の手取りって毎月どのくらいなの?
- もし、扶養の上限額を超えたら(扶養が外れたら)いくら損する?
- 妻が夫の扶養になると、夫の税金はどのくらい得するの?
この記事では、このような疑問に答えていきます。
扶養とか税金とか、仕組みがわかりづらいですよね。
でも、働いているママ・働こうと考えているママには必ずチェックしてほしい!
なぜなら汗水流して働いたのに、手取りが少なくなってしまう年収があるからです。
- 大企業で働くママは、年収が130万円ぐらいになりそうなら、年収106万円未満におさえる
→年収104万円と年収130万円の手取り額はほぼ同じだから! - 大企業以外で働くママは、年収が155万円ぐらいになりそうなら、年収130万円未満(※交通費含む)におさえる
→年収129万円と年収155万円のの手取り額はほぼ同じだから! - 年収が155万円より多いなら、できるだけたくさん稼ぐ
目次
- 1 【前提】「夫の年収500万円(税率10%)、妻が夫の扶養に入る」として手取りを計算します
- 2 専業主婦との違い:年収0円、93万円の手取り額を比較!
- 3 所得税『103万円の壁』:年収103万円、104万円の手取り額を比較!
- 4 社会保険料『106万円の壁』:年収105万6千円、106万円の手取り額を比較!
- 5 社会保険料『130万円の壁』:年収129万6千円、130万円の手取り額を比較!
- 6 所得税『150万円の壁』:年収150万円、151万円の手取り額を比較!
- 7 所得税『201万円の壁』:年収201万円、202万円の手取り額を比較!
- 8 夫の会社の『扶養手当』の条件も必ずチェックしよう!
- 9 まとめ:扶養の上限額を知って効率よく働こう!
【前提】「夫の年収500万円(税率10%)、妻が夫の扶養に入る」として手取りを計算します
・夫婦の収入は給与のみ
・妻が夫の扶養になる
給与に出てくる専門用語、扶養(配偶者控除・配偶者特別控除)等についてはこちらの記事で分かりやすくご紹介しています。
専業主婦との違い:年収0円、93万円の手取り額を比較!
・妻の年収93万円は雇用保険料が年間2,790円かかるのみ。
年収93万円は、住民税がギリギリかからない年収です。
よって、支払いは雇用保険料のみです。
扶養の可否
項目 | 年収0円 | 年収93万円 |
所得税 | ◯ | ◯ |
住民税 | ◯ | ◯ |
社会保険 | ◯ | ◯ |
年収別の比較表
各項目 | 年収0円 | 年収930,000円 | |
手取り/額面 | – | 99.7% | |
額面 | 年収 | 0円 | 930,000円 |
月収 | 0円 | 77,500円 | |
差引くもの 【年間】 |
所得税 | 0円 | 0円 |
住民税 | 0円 | 0円 | |
社会保険料 | 0円 | 0円 | |
雇用保険料 | 0円 | 2,790円 | |
手取り | 年間 | 0円 | 927,210円 |
月間 | 0円 | 77,268円 | |
夫の税金の減額分(年間) | 71,000円 | 71,000円 |
所得税『103万円の壁』:年収103万円、104万円の手取り額を比較!
・妻が夫の扶養になることで夫の所得税が年間38,000円安くなる
通称『年収103万円の壁』には、2つのポイントがあります。
妻の年収103万円までは妻に所得税がかからない
②夫の所得税
妻の年収103万円までは夫の所得から38万円が差し引ける
→2018年税制改正あり:妻の年収150万円までは夫の所得から38万円が差し引ける、に変更された
扶養の可否
項目 | 年収103円 | 年収104万円 |
所得税 | ◯ | ◯ |
住民税 | × | × |
社会保険 | ◯ | ◯ |
年収別の比較表
各項目 | 年収103万円 | 年収104万円 | |
手取り/額面 | 99% | 99.8% | |
額面 | 年収 | 1,030,000円 | 1,040,000円 |
月収 | 85,833円 | 86,667円 | |
差引くもの 【年間】 |
所得税 | 0円 | 500円 |
住民税 | 7,500円 | 8,500円 | |
社会保険料 | 0円 | 0円 | |
雇用保険料 | 3,090円 | 3,120円 | |
手取り | 年間 | 1,019,410円 | 1,027,880円 |
月間 | 84,951円 | 85,657円 | |
夫の税金の減額分(年間) | 38,000円 | 38,000円 |
社会保険料『106万円の壁』:年収105万6千円、106万円の手取り額を比較!
・年収105万6千円の手取り104万円を得るためには、年収130万円ぐらいが必要。(約20万円分が社会保険料)
社会保険料は額面の14%を支払うから負担が大きい…。
扶養の可否
項目 | 年収105.6万円 | 年収106万円 |
所得税 | ◯ | ◯ |
住民税 | × | × |
社会保険 | ◯ | × |
年収別の比較表
各項目 | 年収105.6万円 | 年収106万円 | |
手取り/額面 | 98.6% | 84.6% | |
額面 | 年収 | 1,056,000円 | 1,060,000円 |
月収 | 88,000円 | 88,333円 | |
差引くもの 【年間】 |
所得税 | 1,300円 | 1,500円 |
住民税 | 10,100円 | 10,500円 | |
社会保険料 | 0円 | 148,400円 | |
雇用保険料 | 3,168円 | 3,180円 | |
手取り | 年間 | 1,041,432円 | 896,420円 |
月間 | 86,786円 | 74,702円 | |
夫の税金の減額分(年間) | 38,000円 | 38,000円 |
・正社員が501人以上の会社で勤務
・収入が月8万8000円以上
・雇用期間が1年以上の見込み
・所定労働時間が週20時間以上
・学生ではない
収入に残業手当、通勤手当、賞与は含まない
※社会保険料を払うということは、老後の年金が増える?というメリットも意味しますが、「払い込んだ保険料」より「もらえる年金」の総額が多くなるのは概ね平均寿命前後という計算結果が出ています。(勤務20年以上など細かい条件あり)
社会保険料『130万円の壁』:年収129万6千円、130万円の手取り額を比較!
・年収129万6千円の手取り124万円を得るためには、年収155万円ぐらいが必要。
・夫の扶養になることで夫の税金が年間38,000円安くなる
額面に対する手取りの率が年収129万6千円では96%で高いのに対し、年収130万円では82%まで下がります。
やはり、社会保険料は額面の14%を支払うから負担が大きい…。
扶養の可否
項目 | 年収129.6万円 | 年収130万円 |
所得税 | ◯ | ◯ |
住民税 | × | × |
社会保険 | ◯ | × |
年収別の比較表
各項目 | 年収129.6万円 | 年収130万円 | |
手取り/額面 | 96% | 82% | |
額面 | 年収 | 1,296,000円円 | 1,300,000円 |
月収 | 108,000円 | 108,333円 | |
差引くもの 【年間】 |
所得税 | 13,300円 | 13,500円 |
住民税 | 34,100円 | 34,500円 | |
社会保険料 | 0円 | 182,000円 | |
雇用保険料 | 3,888円 | 3,900円 | |
手取り | 年間 | 1,244,712円 | 1,066,100円 |
月間 | 103,726円 | 88,842円 | |
夫の税金の減額分(年間) | 38,000円 | 38,000円 |
所得税『150万円の壁』:年収150万円、151万円の手取り額を比較!
・年収151万円の場合は、夫の扶養になることで夫の税金が年間3万6千円安くなる。
妻の年収150万円は所得税の扶養「配偶者控除」が適用されます。
そのため、妻の年収を150万円に抑えるメリットはあまりないです。
扶養の可否
項目 | 年収150万円 | 年収151万円 |
所得税 | ◯(配偶者控除:38万円) | ◯(配偶者特別控除:3〜36万円) |
住民税 | × | × |
社会保険 | × | × |
年収別の比較表
各項目 | 年収150万円 | 年収151万円 | |
手取り/額面 | 80.5% | 80.4% | |
額面 | 年収 | 1,500,000円 | 1,510,000円 |
月収 | 125,000円 | 125,833円 | |
差引くもの 【年間】 |
所得税 | 23,500円 | 24,000円 |
住民税 | 54,500円 | 55,500円 | |
社会保険料 | 210,000円 | 211,400円 | |
雇用保険料 | 4,500円 | 4,530円 | |
手取り | 年間 | 1,207,500円 | 1,214,570円 |
月間 | 100,625円 | 101,214円 | |
夫の税金の減額分(年間) | 38,000円 | 36,000円 |
所得税『201万円の壁』:年収201万円、202万円の手取り額を比較!
・年収201万円の場合は、夫の扶養になることで夫の税金が年間3,000円安くなる。
年収201万円と202万円の違いは所得税の扶養(配偶者特別控除)があるかどうかだけ!
扶養の可否
項目 | 年収201万円 | 年収202万円 |
所得税 | ◯ | × |
住民税 | × | × |
社会保険 | × | × |
年収別の比較表
各項目 | 年収201万円 | 年収202万円 | |
手取り/額面 | 82.86% | 82.83% | |
額面 | 年収 | 2,010,000円 | 2,020,000円 |
月収 | 167,500円 | 168,333円 | |
差引くもの 【年間】 |
所得税 | 49,000円 | 49,500円 |
住民税 | 105,500円 | 106,500円 | |
社会保険料 | 281,400円 | 282,800円 | |
雇用保険料 | 6,030円 | 6,060円 | |
手取り | 年間 | 1,568,070円 | 1,575,140円 |
月間 | 138,796円 | 131,262円 | |
夫の税金の減額分(年間) | 3,000円 | 0円 |
夫の会社の『扶養手当』の条件も必ずチェックしよう!
妻が夫の扶養に入ることで夫の会社から妻の扶養手当が毎月数千円〜数万円出るケースがあります。
逆に言えば、妻が夫の扶養から外れる場合には毎月の扶養手当がなくなります。
扶養手当の金額や妻の年収上限額は会社が独自に決めるものなので、扶養手当の条件も金額も会社により異なります。
夫の扶養内だった妻が働き出す場合・妻がパートからフルタイムへ移行するなど妻の年収が増える時には、前もって夫の会社の『扶養手当の条件(就業規則などに記載あり)』をしっかりチェックして、世帯での手取合計額を把握しましょう!
まとめ:扶養の上限額を知って効率よく働こう!
この記事では、様々な年収の壁の手取り額を具体的にご紹介しました。
思ったより税金って少ないんだな、とか、実は社会保険料って高いな、などと理解してもらえたら幸いです。
何より、扶養内で効率よく働くためには『社会保険の扶養内』というのが大事!
夫の年収700万円の場合は概ね税率が20%なので、妻が夫の扶養になることで夫の税金が安くなる金額が年収500万円の2倍になります。
例えば、妻が専業主婦(年収0円)なら夫が年収500万円では年間3.8万円夫の税金が安くなり、年収700万円では年間7.6万円夫の税金が安くなります。