その中でも『毎月の手取り額がいくらなのか?』は事前に知っておきたいことです。
手取り額を知るためには、所得税、住民税、社会保険料など聞きなれない言葉を理解しなければいけません。
難しい専門用語ばかりでなかなか理解できない…
そこで、
できるだけ専門用語は使わずにわかりやすい表現でご説明します!
では、さっそくいってみましょう!
この記事はこんな人におすすめです!
🔶お給与の仕組みを理解して主婦にお得な年収を知りたい人
🔶税金や社会保険のことは全くわからない人
【ステップ1】まずは扶養の基礎知識を理解しよう!
扶養制度は3種類ある!
扶養と言うと、所得税が有名ですよね。『103万円の壁』というフレーズとともに。
実は、扶養が使える制度は全部で3種類もあります。
扶養制度の内容とは?何で得する?
🔶税金(所得税・住民税)の場合
例えば夫が妻を扶養すると、夫の税金が安くなります。
なぜなら、夫の所得税や住民税を計算する際の夫の「所得」から妻の年収に応じて一定金額を差し引くことができるからです。
所得とは「会社で例えるなら利益」みたいなもの、と理解するとわかりやすいです。
住民税では妻の年収が概ね93〜100万円以下なら(地方自治体で異なる)33万円を差し引くことができます。
🔶社会保険の場合
例えば夫が妻を扶養すると、妻は保険料を全く支払わなくても医療機関でのサービスは3割負担になり、65歳以降は公的な基礎年金を受給できます。(厚生年金の上乗せは夫のみ)
配偶者の扶養は?
所得税では、夫が妻を扶養に入れる場合は名称が『配偶者控除』『配偶者特別控除』という呼び方になります。条件(主に妻の年収・所得)によってこのどちらかが該当します。
夫の扶養になることで38万円を夫の所得から差し引くことができます。
ちなみに夫の年収が700万円(税率20%)で妻の年収0〜103万円なら2倍の7.6万円安くなります。
上述した内容が理解できていれば十分ですが、参考までに以下に国税庁の情報も載せておきます。
⭐️配偶者控除は以下4つの全ての条件に当てはまる人が対象
・民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません。)
・納税者と生計を一にしていること。
・年間の合計所得金額が38万円以下であること。
(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
・青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。
控除を受ける納税者本人の 合計所得金額 |
控除額 | |
---|---|---|
一般の控除対象配偶者 | 老人控除対象配偶者 (※12/31時点70歳以上) |
|
900万円以下 | 38万円 | 48万円 |
900万円超950万円以下 | 26万円 | 32万円 |
950万円超1,000万円以下 | 13万円 | 16万円 |
🔶配偶者特別控除
夫の扶養になることで年収に応じて3〜38万円を夫の所得から差し引くことができます。
ちなみに夫の年収が700万円(税率20%)で妻の年収150万円なら2倍の7.6万円安くなります。
⭐️配偶者特別控除は以下5つの全ての条件に当てはまる人が対象
・民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません)。
・控除を受ける人と生計を一にしていること。
・その年に青色申告者の事業専従者としての給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。
・他の人の扶養親族となっていないこと。
・年間の合計所得金額が38万円超123万円以下であること。
控除を受ける納税者本人の合計所得金額 | ||||
---|---|---|---|---|
900万円以下 | 900万円超 950万円以下 |
950万円超 1,000万円以下 |
||
配 偶 者 の 合 計 所 得 金 額 |
38万円超 85万円以下 | 38万円 | 26万円 | 13万円 |
85万円超 90万円以下 | 36万円 | 24万円 | 12万円 | |
90万円超 95万円以下 | 31万円 | 21万円 | 11万円 | |
95万円超 100万円以下 | 26万円 | 18万円 | 9万円 | |
100万円超 105万円以下 | 21万円 | 14万円 | 7万円 | |
105万円超 110万円以下 | 16万円 | 11万円 | 6万円 | |
110万円超 115万円以下 | 11万円 | 8万円 | 4万円 | |
115万円超 120万円以下 | 6万円 | 4万円 | 2万円 | |
120万円超 123万円以下 | 3万円 | 2万円 | 1万円 |
【ステップ2】給与から差し引かれる「税金・社会保険料」等を理解しよう!
額面とは?
給与の『額面』とは、税金や保険料が差し引かれる前の金額を指します。
もし時給1,000円で1日5時間、1ヶ月間の勤務日数が16日なら
1,000円×5時間×16日=80,000円
一般的に「月給は?年収は?」と聞かれた時は額面で回答します。
天引きとは?
上の『額面』の金額から税金や保険料が差し引かれることを『天引き』と言います。
会社が個人の給与から税金や保険料を天引きし、まとめて税務署などに支払いをしています。
所得税
妻が夫の扶養になると、夫の所得税がお得になります。
つまり、以下2つの計算をした方が「妻が年収◯円で働くことによる税金の影響」をより正確に知ることができます。
①妻の所得税の計算
②夫の所得税が安くなる分を計算
・夫の所得から38万円引くことができる妻の年収の上限額が103万円から150万円にあがった。(配偶者控除)
・夫の所得から3〜36万円引くことができる妻の年収の上限額が141万円から201万円にあがった。(配偶者特別控除)
①妻の所得税
妻の年収が103万円以内だと妻の所得税が0円です。年収が103万円より多くなると、所得税がかかります。
税制改正で変わった点は、あくまで夫の税金が安くなる話の条件です。なので、妻の所得税が0円になる年収は103万円まで、という点は変わりません。
②夫の所得税
妻が夫の扶養内(年収0〜2
難しい話よりも、実際にどのくらい夫の所得税が安くなるのかを見てみましょう!
⭐️夫の所得税が安くなる例
・夫の年収500万円で妻の年収が150万円の場合、夫の所得税が年間3.8万円安く
38万円×夫の税率10%=3.8万円
・夫の年収700万円で妻の年収が150万円の場合、夫の所得税が年間7.6万円安くなる
38万円×夫の税率20%=7.6万円
住民税
住民税は、住民登録している地方自治体に支払う個人の税金です。
妻が夫の扶養になると、夫の住民税がお得になります。
所得税と同じく以下2つの計算をすることでより正確に状況を把握しましょう。
①妻の住民税の計算
②夫の住民税が安くなる分を計算
・均等割
基本料金みたいなもので年収が100万円を超えると誰でも5000円支払います。
・所得割
所得割は市区町村により計算金額が異なりますが、概ね年収93~103万円が扶養
ネットで「住民税 所得割 ◯◯市」と検索すると確認できますよ。
①妻の住民税
・均等割:年収約100万円以下は0円です。100万円を超えると誰でも5
・所得割:妻の年収が概ね93~103万円であれば、0円です。それ以上の年収になれば誰でも一律で所得の
②夫の住民税
妻が夫の扶養内(概ね年収0〜100万円未満)で働くことで、夫の住民税が安くなります。
・均等割:減額無しで5000円のまま。
・所得割:妻が夫の扶養になることで、夫の所得から引くことができる金額は33万円です。
⭐️夫の住民税の所得割が安くなる例
・夫の年収500万円で妻の年収が93万円の場合、夫の住民税の所得割が3.3万円
33万円×税率10%=3.3万円
・夫の年収700万円で妻の年収が93万円の場合、夫の住民税の所得割が3.3万円
33万円×税率10%=3.3万円
同じ個人の税金でも所得税は年収が高くなるほど税率が高くなります。
社会保険料
社会保険料とは、厚生年金保険料と健康保険料の2つの合計金額です。
🔶保険料を払うと、どんなサービスを受けられる?
厚生年金は5人以上の会社が加入できる国の保険制度です。
厚生年金保険料を払うことで65歳以降に受け取る年金が多くなります。
健康保険は自己負担3割で様々な医療サービスが受けられます。
最初にご説明したように、夫の扶養に入るということは妻自身が全く保険料を払わなくても医療費は3割負担で、65歳以降は国民年金(基礎年金)が支給されるなどのサービスを受けるこ
🔶毎月いくら払う?
社会保険料は会社と従業員で、給料の額面の約14%ずつ費用負担
毎月のお給料の直近3ヶ月の平均額で変わります。たくさん働いて月収があがると、
🔶妻の年収がいくらまでなら夫の扶養に入れるか?
夫の扶養に入れる妻の年収上限額は106万円又は130
ざっくり説明すると、
・妻が大企業に勤めていて毎月88400円以上の月収なら扶養
・妻が中小企業に勤めているなら扶養上限額は130万円
※106万円が上限額になるのは以下の条件を全て満たす人
・正社員が501人以上の会社で勤務
・収入が月8万8000円以上
・雇用期間が1年以上の見込み
・所定労働時間が週20時間以上
・学生ではない
注意:収入に残業手当、通勤手当、賞与は含まない
雇用保険料
生活を守るためにある保険で、主に国の厚生労働省が管理しています。
・一週間の労働時間が20時間を超えること
・31日以上会社で働く見込みのある労働者であること
を満たした人だけが入れる国の保険です。
🔶保険料を払うと、どんなサービスを受けられる?
・失業時に受け取れる失業保険の給付
・企業に勤めている時に受けられる育児休業給付、介護休業給付、教育訓練給付など
🔶毎月いくら払う?
給与(各種手当含む)金額に0.3%をかけた金額を支払います。
主婦が働く上で注意すべき項目は…
ここまで、給与から差し引かれる項目を扶養の上限額と合わせてご説明しました。
所得税や住民税ではありません。
実は、『社会保険料』は注意しなければいけないんです!!
理由は2つ!
・社会保険料は給与額面の14.1%も支払いがある!(月収10万円なら1万4千円の支払い)
・社会保険料の扶養の年収上限額は106万又は130万円の2種類ある!
このどちらもしっかり考慮せずに主婦が働き始めてしまうと、たくさん働いたのに手取りが少なくなり損をしてしまう可能性さえあります!!
そこで、おすすめしたいのが『主婦が派遣で働く』ということです。
扶養内で働くための時間調整も派遣会社がやってくれるので安心です。
派遣会社は複数ありますが、主婦が働きやすい派遣会社は限られています。↓こちらを参考にして頂ければ幸いです。